隣の席の不器用男子。
「席替え、くじなのね」
「うん、それが普通じゃない?」
「そうかしら?」
うん、少なくとも私はくじでしか席替えをしたことがないし。
ほかにもまぁ、あるだろうけど。
「コハル、何番だった?」
「んー、これ、どっちだと思う?」
私は、数字の書かれた紙を見せた。
担任の、走り書きの字なので読みにくいのだ。
「…いや、普通に"6"でしょ」
「"9"に見えない?」
「見えない」
はい、わかりました、と敬礼をして見せた私に、紗英は呆れたように笑った。
…まぁ、そんなこんなで席替えが始まったわけです。