ただ、名前を呼んで

どうしよう、止まらない。

僕の中にある母への想いが、涙となって溢れ出る。

どんなに流しても、無くならないことくらい分かってるけど。


苦しいよ、お母さん。

どんなに遠い所に行っても、生きていて欲しかった。

だって生きていれば、どんな事も起こり得るって信じられるから。

ごめんね、お母さん。

僕の腕は細すぎて、飛び立つお母さんを捕まえられなかったよ。

悔しい。
悔しい。


「うぅ……くっ…うぅ〜…。」


噛み締めても、僕の鳴咽は零れていった。
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