ただ、名前を呼んで

「カスミさん……。カスミさん……。」


祖母はそれしか言えないようだった。祖父は腕を回してそんな祖母の身体を支えている。

母は少し虚ろな眼でキョトンとその光景を眺めている。


祖母が落ち着いたら、僕らはしばらく会話をした。

勿論母は会話には加わらないけれど、そんなのたいした問題じゃない。

僕は嬉しかったんだ。
祖父と祖母と母。

僕の大好きな家族が、ここに揃ったんだ。
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