ニセ×カレ
沢山の階段を上り下りして、やっと生徒会室に着いた。


もうじきここで私も…。


そう考えると身震いした。

はぁ、変なこと考えないっ!

早く帰ろっ!


そう思って駆け出した時だった。


―――ドン―――


廊下の角で思いっきり人とぶつかった。

ホントついてない…今日。

走ったのは私だし、謝っておこ。


「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」


ぶつかったのは男子だった。

同級生かな…?


「いてぇ…。」


髪の毛は栗色に近い茶色。

耳にはピアス。

シャツはズボンの外に出してあった。


絶対不良じゃん…。

ついてないなぁ、今日。


「あのぉ、ホントごめんなさい。だから―――」

「謝りたいならさ、ちょっと手伝ってよ。」

「はい?」
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