最初で最後.


パパ…ママ…透太…。

みんな泣いてる。
パパとママは私の右手を。
透太は私の左手を痛いぐらいにぎゅっと握りながら。
私は今日死ぬ。
大好きな人たちに囲まれて死ねることほど嬉しいことはない。

「柚希…柚希…」
私の名前を連呼するママ。
「………」
黙っているけど、ママの何倍も強い力で私の手を握るパパ。

そして
「柚希…ごめんな、幸せにしてあげられなくて。頼りなくてごめんなぁ。」
涙を流しながらそう言う透太。
ううん。透太。頼りなくなんてなかったよ? 私は十分すぎるぐらい幸せでした。
幸せすぎて苦しいぐらい貴方を愛してました。

「遅くなってごめんな…約束したよな…。
 俺はずっと柚希の傍に居るからな。」
そう言って透太は私の左の薬指に指輪をはめた。
前に約束した透太と私の結婚指輪。

「ぁりが…とぅ」
出ない声を絞り出した私の人生最後の言葉。


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