12 love storys
今度こそ、
スマホをしっかりと手に持ち、
オフィスを後にした私は
駅までの道のりを課長に貰った
棒つきキャンディを口に加えながら
歩いていた。


こんなのいつぶりだろう……。


キャンディの味は甘くて甘くて、
そんなに甘党ではない私には
少々キツかったけど、
それでも残業の疲れが少しは
取り除かれる気がした。


きっと、
この調子だとクリスマスも残業に
違いない。
だけど、
不思議と嫌じゃなかった。
むしろーーー


今度は私が用意しよう。
課長が好きな棒つきキャンディ。
何味にしようかと考えると
楽しさも少しは出てきた。


夜空に浮かぶ三日月を眺めながら、
課長は私がキャンディを
持っていくとまたあんな目を
してくれるだろうか?
そんなことを考えては
家路を急いだ。


クリスマスも恋も
もうそこまでやって来ていた。














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