俺様の熟した恋の実~10years~
食事を終えると、ママと友紀さんは楽しそうに会話する。
あたしは楽しくないですね、はい。
オレンジジュースの氷をジーッと眺めて溶ける様子を見ていると、
「ねぇ、後ろの席……行かね?」
「は、はい……?」
夕食時を過ぎたレストランは意外と空いてて、席もがら空き。
新しいお兄ちゃんと二人で後ろのテーブルに座った。
うわっ………もっと気まずいんですけど……。
「……まぁ、お互い複雑な気持ちだよな、うん」
「あっ、ははっ……そうですねっ」
「敬語とか使わなくていいって。一応、兄妹何だし」
「じゃあー……そうする」
「羽音ちゃん、でいい?」
こくっとあたしは頷いて、オレンジジュースを一口飲む。
人見知りのあたしにとっては、初対面の人と二人きり何て辛すぎるぅ~……。