俺様の熟した恋の実~10years~
羽音を家まで送る帰り道。
やっと見つかったケータイをずっと手に握って笑顔でいる。
「涼雅はすごいね~!あたしのケータイ見つけちゃうんだもん♪」
「感謝してんなら俺の女になる?」
「そっ、それはまた別でしょ…!あ、ケータイどこにあったの?」
「音楽室。音楽の先生が見つけてくれてたわ」
「ふぅ~……よかったぁ」
ふにゃっと笑い俺にくっつきながら歩く。
邪魔だけど、かわいいからもう少しこのままで……。
「あっ、あとさ。ケータイに追加しといたから」
「ん?なにを?」
「俺の連絡先♪いつでも、ケータイ無くしていいからっ」
「もう無くさないよぉ!でも……ありがとう。本当に」
「早く俺に振り向けよ…バカ女」
うつむく羽音の頭を撫でた。
俺だけが好きな感じするから、早くお前も俺のこと好きんなれ。