Secretな関係



「じゃあ、行こうか!」


そう言いながら、吉岡の書いた地図を取り出す。


「は?」


しゅんちゃんがそう言う。


「ん?」


二人とも固まってしまった。


地図じゃ…ない…これは、地図とは言えない…。


一本の力強く濃く書かれたぐねぐねの線と、学校に前田宅とかかれているだけ。


「これでどうやって行けと?」


「あ、でも俺分かるよ。春奈の家」


そうさらっと言われ、私は一歩下がる。


「え、何…ストーカーなの?そうなの?え、え、ストーカーの歌紹介しようか?」


「ちょ、ちょっと待て!ストーカーじゃねぇし!たまたま知ってただけだし!ってかストーカーの歌って何だよ」


「知らねーのかよ!ストーカーの歌!有名だよ!」


「そこ⁈まずそこから突っ込むの?てか、俺の口調真似しなくていいよ!」


そう言われ、私が笑いだすと、しゅんちゃんも笑いはじめた。


「俺らバカだよなー」


「え、俺ってバカだよなーの間違いじゃない?」


「ちげーよ」


そう言いながら仲良くしゅんちゃんを頼りに春奈の家へと向かいはじめた。
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