最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜

俺ははっきり言って莉那先輩に憧れている。好き、と言っていい。

莉那先輩は俺より4つ上だが、年の差なんて気にしないし気にならない。

莉那先輩はものすごく綺麗な女性だ。俺が今までに会ったどの女性よりも。しかもテキパキとして、営業の成績は部内でトップとか。

気になるのは彼氏の存在だが、その手の噂は聞いた事がない。莉那先輩ほどの美女ならいても不思議はないのだが、うーん、どうなんだろう。


当然ながら、男共の莉那先輩を見る目は熱く、俺もその一人だ。主任がボソッと呟いたように、正面から莉那先輩に告白出来れば良いのだが、なかなかその勇気が出ない。俺なんかじゃ、到底相手にしてもらえそうにないからだ。


ハアーと俺が溜め息をついたら、横で主任がフッと笑ったような気がしたのは、たぶん気のせいではないと思う。

俺は莉那先輩への想いを誰にも話した事がないが、どうやら席が隣の主任にはバレてたらしい。莉那先輩が近づくだけで俺の胸は高鳴り、目は自ずと彼女を追うのだから、気付かれても無理はないのだが。


とその時、俺の嗅覚は愛しい人の匂いを嗅ぎつけた。

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