星の雫~超極秘のお姫様~

ウィレボ

「なんと!ウィレボ限定木苺酒がこの値段!!!」

「ちょっといいですかー?」

「はいはーい!」

「30%引きのセールやってまーす!」

「これ頂戴!」

「おっ!お客さん、ソレ、かなーり希少なモンですよ!」

「絶品!!!あつあつ餃鍋(ギョウナベ)、餃子5つ追加サービス中!!!」



――足を踏み出した途端に、声の波にさらわれそうになった。


「すごっ・・・」

そのざわめきは、もはや迫力さえあるよう。

でも、決して人を怯ませたりしない、温かさがあった。思わず胸が弾むような、明るさがあった。


「ふっ・・・リア、目、真ん丸になってるぞ。」

ソウが、面白そうに笑みを零したから、あたしはムッとして言い返した。


「だって、しょうがないじゃん!!!こんなに・・・こんなに、にぎやかで、明るいなんて、思ってなかったんだから!」


「あぁ、まぁ・・・確かに、最初はそう思うよな。」

ソウはあっさり頷き、あたしの右手を握った。

「?」


「・・・リアは、絶対、はぐれるだろうからな。」


「まさかの子ども扱い!?」


「精神年齢5歳だろ。」


「ヒドッ!!!あたし、精神年齢だって17歳ですぅー!」


べーっと舌を突き出してやれば、ソウはため息をついた。

「そういうのが、子供っぽいんだろ。
17歳のうら若き乙女が舌突き出すかよ、普通。」


「・・・・・・・・・・むむむ・・・」

悔しいけど、一理ある気がする・・・。

思わず口ごもったあたしの右手を握るソウの力が、少し強まった。



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