星の雫~超極秘のお姫様~
白銀の物体は、ぐんぐんと近づいてくる。


そして――見えた。




「エリザベスだ・・・・・。」


囁くような、小さな声になっちゃった。

でも、それもそのはず。


悠々と空を飛ぶその姿は、この世の物とは思えないほど、美しく、凛としていた。


月光に照らされた白銀の体。

きらめく、ルビーのような瞳。

スルスルと優美に動く大きな翼。



「綺麗・・・・・・」


ぼぅっとエリザベスに見惚れていると・・・



「あっ・・・」


エリザベスの背中から、ひょっこりレオが顔を覗かせて、ニッと笑った。


それだけで、ほんわりと心が温かくなる・・・・・・って、温かくなっちゃ駄目だろっ!!!


緩む頬の筋肉を無理矢理、手で横に引っ張る。


「レオは怪しい奴、レオは危険な奴、レオ危ない奴、レオは大馬鹿野郎、レオはアホんだら、レオは女好き・・・・・・」



・・・ん?なんか濡れ衣きせてるような?

ま、いっか!



あたしはそのまま呪文のように呟き続けた。


「レオはホモ、レオはドジ、レオは愚図、レオは最低野郎、レオは・・・・・」





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