星の雫~超極秘のお姫様~
しかし、その眉間にはしわが寄っていた。




「姫君の外出・・・・・」


そう呟くと、彼女は長い髪をぐしゃりとかきあげる。




女性は、黒い足元まであるローブの上に、黒いマントを着ていたが、マントを豪快に脱いだ。


「駄目だっ!!!怒りでマントなんか着てらんない!

ったく、どこのどいつよ!掟破り寸前の大馬鹿野郎はっ!!!」


だんだんと地団駄を踏みながら、心地よいアルトで、罵声を叫ぶ。




そんな彼女の元へ、ゆらりと一匹のコウモリがやってきた。



《アスクさぁ~ん・・・・・。主様から伝言預かりましたぁ~》


なぜだか、コウモリはひどくボロボロで、弱々しげだった。

そして、声も情けないほどかすれていた。



「ウェイ?何があったんだ?ボロボロじゃないか。」


《主様が苛めたんですよぉ・・・・・。なんか、今朝、すっごく機嫌悪かったんですぅ~。》


「あぁ、それなら、私もだ。にしても、ウェイはとことん不憫な奴だな。」


《他人事みたいに言わないでくださいよぉ。》


「私にとっては、充分他人事だ。

で?伝言とはなんだ?」



もう、ホント、冷たいんですから・・・などとひとしきりブツブツ言った後、コウモリは低い声で言った。


《話がしたい、とのことです。》





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