すきなヒト

想い

「よしっ!帰るぞ」
あたりは暗く蒸し暑かった
蝉ももう鳴いてなくて、体育館からバスケ部のシューズの音が聞こえるだけ。

生暖かい風が私の髪をさらっていく
2人の影がバス停の街灯に照らされのびていた。
バスが来るまで先生はずっと一緒にいていてくれた。

「バス来た〜」
「それじゃ気をつけてな!
明日学校来いよ」
先生はバスに乗り込む私の背中にそう行った。
窓から手をふる。
先生も大きく手をふる。

バスに乗って携帯を見ると

新着メール2通

の文字がサブディスプレイに表示されていた。
なぜか胸がそわそわした。

亜希と‥‥秀くん‥!?
なんで秀くんがメールしてくれるの?
好き‥だから実った?

んなわけないか‥

窓の外は月が三日月だった。
先生も見てるかな?

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