すきなヒト

勇気

私、辛かったよ
いろんなことが重荷になって
みんなをまとめなきゃって必死になって

私は想いを全部話した。
辛かったことも、いまの現状も‥

先生は私の肩をゆっくりさすりながら聞いていた。
先生の腕に私の肩はすっぽり入ってしまえた。
温かい大きな手は私の求めていたものだった。

「辛かったな‥」
先生はそう言って頭を撫でた。
優しく私に触れる先生。
そんな温かさに涙がまた零れた

「今日、教室行ける?」
少し聞きにくそうに聞いた。
行きたくない‥そう思いをこめて先生を見る。
‥気付いて?
「保健室行くか」

そう言って私の鞄を持った。
「心配すんな」そう言って私と目線を合わせるようにしてしゃがんだ。

どきっ

胸が大きく鳴った。
目を反らして立ち上がる。

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