タイムリミット~何度、愛してると言えますか?~
 その日のお昼休み、わたしは親友のエミに恭平とのことを報告。

「手を繋いでるところ、実はみちゃった。なんだか青春ドラマのワンシーンみたいだった!」

目をパチパチさせるエミ。ハーフ顔で、少し色素の薄い瞳が輝く。

「やっと実ってよかったねー!九条くんならいい人っぽそうだし、任せても安心かな。」
「やだ、エミ。保護者みたい。」
「それくらい、ずーっとくるみを見守ってきたんだもん。‥‥でもさ、」

急にしゅんとなるエミ。

「‥九条くんとラブラブするのもいいけど、あたしとも遊んでね?少しでも、くるみといっぱい、いたいから‥。」
「エミ‥。」

少しうつむくエミ。わたしが病気のことを打ち明けた時のことを、思い出した。

誰もいない病室で大泣きしてくれた。
ずっとわたしの手を握って。
すごく心強かったんだ。
ねえ、エミ。あなたと友達になれて、よかったって思ってるよ。

「もちろん!夏休みとか、どこかに旅行いこう?たくさん遊ぼ?」
「うんっ!楽しみ!」

笑顔になったエミを見てまた感じた
“幸せ“って。
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