焦がれて



そう言って田嶋くんを通り抜ける



「っ、」


はずだった






痛いくらい掴まれた左腕




「だったら」




困ったような、悲しいような表情




「だったらそんな顔で見んなよ」







言われた瞬間


私の中の何かが崩れ、溢れだす



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