焦がれて


彼女の視線がこちらで止まる



目が合って、感じたのは




俺にも口を動かして何かを伝えて欲しいという欲望と



二人だけが理解し合えているような先ほどの空間への嫉妬







初めて、彼女から視線がそらされる





そして、見てしまった


逸らされた目が一瞬、翔平へ向いたのを





もう、ショウヘイを好きになったのだろうか
 

あの深く美しい想いを、次はショウヘイに向けるのだろうか






心底嫌だと


誰にも渡したくなどないと



心が泣く


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