焦がれて
「あー多分、図書室。アイツよく寄ってるみてぇだし」
普通の返事のはずなのに、
裏に親密さを感じ取る俺は、ひねくれているのかもしれない
ショウヘイにもう一度別れを告げて友達たちと教室を出る
靴を手に取り履き替えようとした瞬間、ピタリと体が動かなくなった
「陸人?どしたー?」
友達の不思議そうな顔
ほんと、俺どうかしてんのかも
「…わりぃ、忘れ物。先帰ってて」
「待ってようかって、おい!陸人っ?!」
気付けば走り出していた