とけていく…
 紫と約束のコンビニで合流したのは、あれから約30分ほど経った後だった。

「で、どこ行くよ?」

 二人並んで駅の改札に続く階段を登っていると、涼は紫に尋ねた。すると彼女は、もったいつけるように微笑むと、バッグに手を突っ込んだ。

「実はね、ここに遊園地のチケットが二枚あるんです〜」

 手にチケットを握り、彼女は高らかにそれを見せた。

「遊園地? なんだよ、それ。誰かと行く予定だったんじゃねぇの?」

「そうなの。友達が突然体調を崩しちゃって、行けなくなっちゃってさ。それでヒマしてたってわけ。」

「なるほどね。いいよ。どーせヒマだし。」

 自分で『ヒマ』だと言った後、彼の頭の中に真紀の顔がつい浮かんでいた。何かにつけて人を暇人扱いする大雑把な物言いをする時の顔だ。

「やった! じゃ、行こ!」

 彼の考えなどつゆ知らず、浮かれた紫は彼の腕を引っ張った。そして彼かは人混みで賑わう改札の中に溶け込んで行った。

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