202号室の、お兄さん☆【完】
「んんー」

窓を開け、外の空気を吸い込むと、一気に目が覚めます。

昨日で弟が帰ってしまって寂しいけれど、隣にはお兄さん、下には千景さんが居るし、

「アルジャーノン、君も居てくれるからね」

アルジャーノンの鉢植えを持ち上げて、窓辺に移す。
すると、隣の窓辺の手すりに、器用にも定宗さんが眠っていました。


「定宗さん、おはようございます」

アルジャーノンを両手で持ったまま、私が話しかけると、
定宗さんは面倒臭そうに尻尾を振りました。


「ああ、アルジャーノン、君も定宗さんに挨拶しなきゃね」

私が鉢植えを定宗さんに近づけるが、定宗さんは無反応。それどころか、イビキをかき始めてしまいました。

「あれ、みかどちゃん、おはようございます」

私と定宗さんの会話で、歯磨き姿のお兄さんが窓を開けてきました。


『ミギャアアア゛』

「定宗さん!!!」

お兄さんが窓を開けた為に、前に押し出された定宗さんは、
アルジャーノンに顔をうずめてしまいました。

鼻を押さえる定宗さんが、窓の手すりから、隣との塀に飛び移り、走って逃げてしまいます!!


「まっまって、定宗さん!」

「みかどちゃん、ここ二階!!」

慌ててお兄さんが体を飛び出して止めてくれます。
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