202号室の、お兄さん☆【完】

チリンチリン

涼しい音色を運ぶ、風鈴。



ミーンミンミンミン ミーン

汗を誘う、蝉の声。


豚さんの蚊取り線香が大活躍する、


カラン……

麦茶の中の氷が、とろりと溶け出す、――夏。



入道雲を背に、アルジャジーノンはのんびりと日光浴をしながらお留守番。


花忘荘の庭は、すっかりサフィニア達は枯れ落ち土に還り、

変わりに太陽を見つめた、2メートル近くの向日葵が咲き乱れていました。

ミニトマトも美味しそうに育っています。




「花火! 花火したい!」


花忘荘の皆さんと皇汰と岳理さんは、そんな暑い中、ホームセンターへ来ていました。



……日頃の皆さんを見ているとつい忘れがちですが、
皆さんは、喋らなければ本当に格好良く人目を惹きます。

そんな注目を浴びる皆さんは、それぞれの担当している物を、ホームセンターでお買い物中です。



「姉ちゃん、花火! 買っていいだろ? 花火!!」


担当が無い皇汰は、いつぞや岳理さんを引いたカートを押す係でしたが、勝手に買い物籠に、花火を入れだしました。



「駄目だよ! ちゃんと皆さんに聞いてからじゃないと……」

そう言うと、ドラガンさんがやってきました。
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