ありがとうのその前に
進路





次の日あたしは入院しているヒロの看病があるという理由で裕也とのデートを断った



裕也への返事に困ったからという理由もある





裕也を傷つけたくない


けどあたしの気持ちは、止められない域まで達していたみたいだ




『明日話がある』



たったそれだけの短いメールを裕也に送った




パチンと携帯を閉じると病室のドアが開いた




『琴音~!ヒロ大丈夫?!』



入ってきたのは結衣と修平




『うん。今は薬が効いてて眠ってるけど…って、えッ?!』




あたしの目線の先には繋がれてる2人の手



『これはッ!いやッ』




あたしの目線に気付いた結衣と修平があたふたしながら顔を赤らめている



『もしかして2人…!』


『…最近…な』



修平が恥ずかしそうに言うと結衣は修平に見えないように小さくVサインをしている





結衣…気持ち伝わったんだね!よかったぁ~




『なんかあたしまで嬉しくなっちゃったよ!』


『なに言ってんの~琴音こそ裕也とラブラブじゃん♪』





『裕也』という言葉に思わずあたしは黙ってしまった




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