時を越え、君を知る。
第四章

1.叶わない夢



――…


ここ最近、似たような夢を見る。
見慣れた景色ばかりで、通い慣れていた学校の校庭や校舎の中、通学路、そして自分の家。
そして必ず、最後に長門さんが出てくるのだ。
長門さんがいるのは家の前だったり、学校だったり様々だけど、決まって最後に出てくる。

微笑んで、わたしが自分のところへ辿り着くのを待っている。
そこに行こうとしたところで、目が覚めてしまう。



「――須藤。起きているか。」


寝起きでぼんやりと考えていると、ドアの外から長門さんの声が聞こえた。
慌てて髪の毛を手櫛で整え、返事をする。


「起きてます! どうぞ!」
「失礼する。」
「おはようございます。」
「お早う。よく眠れたか。」


夢のことを思い出す。
けれど、眠れなかったわけではないから、長門さんの問いに首を縦に振った。


あの夢は何をわたしに伝えたいのだろう。

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