ラブバトル・トリプルトラブル
 お昼を早めに取りながら談笑する。
話題は私のパーマカルチャーだった。

どうやら大君が見ていたことを打ち明けたらしい。


「見よう見まねなんです。朝のテレビでやっていたんです」


「何か凄かった。ちゃちゃっと遣って終わっちゃったからびっくりしたよ。何でも、後はほったらかしでいいんだってさ。それを聞いて益々びっくりしたよ」


「へぇー、ママが聞いたら『そんな方法があったの』って言うだろな」


「えっ、おばさん知らなかったのか? 俺はてっきり……」
秀樹君の言葉を受けて、大君が腕組みした。




 そして話題はじゃがいもと土の袋になった。


「あれにも驚いたよ。そのまま置いておけば良いってことも」


「あっ、それは確かママも……」
直樹君はそう言いかけて止めた。


(え、確かママもって何?)


「そう言えば大。何時免許取ったんだ?」

私が疑問に感じていることを察してか、直樹君が急に話題を変えた。


「大のように車の免許取っておけば良かったなって思ってさ。今更遅いけど」
今度は秀樹君が愚痴を溢した。


「俺はお前等みたいに考えなしじゃなかったからだよ」

大君が自慢気に言った。




 「なあ教えろや。何時取ったんだ」


「お前等がキャンプに行っている合間だよ。合宿免許ってのがあるだろう。あれだよ」


「合宿免許!?」


「何も遣ることがなくて暇だったからな」


「俺の自転車廻りと同じか?」
直樹君はそう言いかけて言葉を止めた。


「いけね。時間だ。続きは後で」

直樹君は慌てて、お昼ご飯を掻き込んだ。


「あ、駄目。もっとゆっくり食べて。後でお腹が痛くなっても知らないよ」

私の発言で直樹だけじゃなく、秀樹君までもが背筋を伸ばしていた。




 お昼を軽く済ませ、二人は自転車で練習場に行こおうとガレージに向かった。


「俺も大のように車の免許取っておけば良かったな」
秀樹君が自転車の後方に停めてあった外車を見ながら言った。


「やっぱりじいさん凄いな。俺もこんな何時か車に乗ってみたいよ」


「いや、美紀のじいさん気前良いから、乗っても良いって言うよ。なんなら、中村さんが乗ったら」

突然の秀樹君の言葉に首を振った。




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