好きだったよ、ずっと。【完】
『そ?木ノ瀬とは、どう?大丈夫か?』



「う、うん。大丈夫…、かな?」



細かく話したいけど、本人が後ろにいるから喋れないよ…。



『もしかして、今近くにいたりする?』



聡は、わたしの声で気付いたのか、そう聞いてきた。



「うん」と言おうと思って、息を吸った時。



「近くにいちゃ、マズイのかよ」



「あっ!」



わたしの手から携帯を取り上げると、自分の耳にあて喋った後ろにいたカレ。



声を聞く限り、ちょっと怒ったような口調で。



携帯を取り上げられて、どうしていいか分からず春夜の服の裾をクイッと引っ張り、口パクで<か・え・し・て>と言った。



だけど、それは見事に却下され、聡と何やら話をし始めた。



チラッと聞こえたのは、これから会おうということ。



それと話したいことがあるということ、だった。



じゃぁ、お昼は作らなくていいのかと安心していたら。



「ごはん食ったら行く。だから早く作れよ」



と、いつの間にか電話は終わっていた。
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