好きだったよ、ずっと。【完】
「じゅーり」



そんな甘えたような声で呼ばれて、「はぁい」なんて言えるかっ。



「朱里ちゃん?」



だからご機嫌取るくらいなら、イジワルしなきゃいいのに…。



わたしは、しばらく黙ってようと春夜に何言われても無視した。



ちょっとは反省したら、いいんだっ。



「朱里、ごめん」



真面目なトーンで謝ると、春夜の甘い香りがして。



抱きしめられてることに、気付いた。



「ごめんな?」



「やだ、許さない」



耳元で言われ、ドキリとしたけど平然なフリをした。



「ごめんって。俺、めちゃくちゃ嫉妬してた。だから、あんなこと言った」



「聡に嫉妬して、イジワルしたってこと?」



「そ。間宮には、朱里に手出すなって言いに行くだけ。璃香は帰ったから、間宮と二人だ。心配すんな」



「な…、んで」



わたし口に出してないのに…。



「顔に書いてあった。それより、許してくれるか?」



春夜は、わたしから離れると両手を肩に置き見つめてきた。
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