好きだったよ、ずっと。【完】
結局わたしたちは、あれからスーパーへ行き買い物に行った。



春夜がカゴを持って、わたしはその隣を歩いて、食材を入れて。



新婚さんになったみたいで、嬉しくて。



「なにが、食べたい?」と聞けば、「トンカツ」と、笑った顔が少年っぽくて。



春夜の笑顔が大好きで、昔からずっと遠くで見てた。



それが今、隣で見ることが出来てるなんて、幸せ。



お会計は、「俺に出させて?」なんて、至近距離で言うから思わず頷いちゃって。



持ってきたエコバックに詰めると、さり気なく持ってくれて。



家に帰って衣を付けてたら、「楽しそう。俺もやっていい?」と、二人で衣付け。



料理がこんなに楽しいもんなんだって、知らなかった。



もちろん、誰かの為に作るのは幸せなことだけど、一緒に作ることができるなんて。



卵とパン粉係りだった春夜は、全部の指が衣で団子状態になってて。



「朱里、優しく取って?」なんて、エロく言ってきて。



仕方なく、ゆっくりと優しく一本一本丁寧の取れば、「エロ…」なんて言って。



まだ指に付いた衣を、お湯で洗い流す。



「朱里、取れない」



右中指、第二関節の横に付いてる衣。



ゴシゴシ洗っても取れない、パン粉。



「もう、手かして」



わたしが春夜の手を取り、またお湯で洗おうとしたのを止められた。
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