好きだったよ、ずっと。【完】
「あ、ごめん」



「だから言ったでしょ?付き合った後が、大変だって」



「う、うん…」



でも、そう思ってるのは、わたしだけみたいで春夜を見ればもう仕事をしていた。



「わぁ…。カッコイイ…」



「こら、バカ朱里!」



「イテッ…」



春夜に見惚れていたら、突然横から耳を引っ張られた。



「とっとと、仕事しなさい」



「はぁい…」



そんなわたしと紗希の様子を見て、紗央里はクスクスと笑っていた。



さて、ちゃんと仕事しよっ。



そう思い、キーボードに手をのせた時。



「前田、ちょっといいか」



突然春夜に呼ばれ、ビクリと体が反応した。



「あ、はい」



ここでは上司と部下…、そんなことを頭の中で思いながら立ち上がり、すぐに春夜のいるデスクに向かった。
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