好きだったよ、ずっと。【完】
「言葉も色々考えたんだけど、いいの思い付かなくてさ」



「うん?うん…」



春夜が何を言おうとしてるのか、全然分からなくて。



でも何か真剣なことなんだっていうのは伝わってきて。



ふぅ…、と息を深く吐き真剣な顔でわたしを見た。



格好は裸なのに、春夜の目がわたしを捉えて動けなくさせる。



出た、春夜マジック!と心の中で思っていると、わたしの目の前に箱が置かれた。



小さな小さな、手の平サイズの箱。



紺色でピンクのリボンが付いてて、とても可愛らしかった。



「木ノ瀬朱里に、なってほしい…」



「……え」



「結婚してほしいんだ、俺と」



小さな箱を見た時点で、きっとわたしの中で何が入ってるかは予想できてたはず。



だけど、いざその言葉を聞くと、どうしようもなく嬉しいのと戸惑いに言葉が出なくなって。



春夜の顔をずっと見つめ、時間だけが経った。



「あ、れ…。もしかして、答えはノーとか…?」



何も反応しないわたしに、焦り出したのか春夜の声は若干震えていた。



そうだ、ちゃんと返事しないと…。



わたしは息を深く吸い、そして深く吐いた。
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