sweet wolf




あたしはきっと、すごい顔をして突っ立っていたのだろう。

不良のうちの一人があたしを見て、あきれたような笑みを浮かべた。

だが、そいつの顔をまじまじと見たあたしは、驚いて飛び上がりそうになった。





あたしはそいつに見覚えがある。

そいつは、いつも後ろの席にたまって、不良の仲間と騒いでいた。

いじめられて蒼白になったあたしを見て笑い、ウザいとかなんとか罵った。





あたしの驚きは次第に怒りに変わり……





「あんた!

あたしのいじめに関わってたのに、ノコノコこんな所にいるのかよ!?」




奴に歩み寄り、奴の胸ぐらを掴み上げていた。



< 110 / 312 >

この作品をシェア

pagetop