sweet wolf
あたしはきっと、すごい顔をして突っ立っていたのだろう。
不良のうちの一人があたしを見て、あきれたような笑みを浮かべた。
だが、そいつの顔をまじまじと見たあたしは、驚いて飛び上がりそうになった。
あたしはそいつに見覚えがある。
そいつは、いつも後ろの席にたまって、不良の仲間と騒いでいた。
いじめられて蒼白になったあたしを見て笑い、ウザいとかなんとか罵った。
あたしの驚きは次第に怒りに変わり……
「あんた!
あたしのいじめに関わってたのに、ノコノコこんな所にいるのかよ!?」
奴に歩み寄り、奴の胸ぐらを掴み上げていた。