sweet wolf
「A組の女子をシメたらしいじゃん。
あの変な転校生をいじめるからって」
……え?
蓮が……!?
胸が熱く鼓動が速くなる。
頬が熱を持ち、足が微かに震えていた。
あれ……?
あたしの身体、どうしてしまったの!?
「狼も大宮先輩も、どうしてあんな女を庇うんだろ」
それは分からない。
あたしだって謎だ。
だけど、そんなことはどうでも良かった。
蓮があたしの味方をしてくれたという事実だけで、あたしの空っぽの心が満たされていく思いだった。