sweet wolf








あたしは、ふらふらと蓮の手を握ったまま歩いた。

あの彼と蓮を自然に重ね合わせていた。

それは、あの子みたいに蓮もあたしを助けてくれたからに違いない。




人々はあたしたちを避け、恐怖の目で蓮を見た。

それは、人気者の春樹を見る目とは全く違っていた。

まるで死神でも見るような、絶望に満ちた目だった。

だが、蓮の隣にあたしがいて、しかも手を握っていることを確認するや否や、みんなは口をあんぐりと開くのだった。






あたしは知らなかった。

蓮がここまで恐れられていることを。



だって蓮は、

あたしには優しい……。




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