sweet wolf
「大丈夫か?」
屋上庭園に着くなり、蓮があたしに言う。
「う……うんっ!
全然!!」
これ以上弱いあたしを見せられないと思い、元気に振る舞うあたし。
「……ってかさぁ!
蓮、超怖いんだけど。
あたしマジでびっくりした!!」
馬鹿にしようとしたのに。
笑い飛ばそうとしたのに。
なぜか震えが止まらない。
蓮と二人きりになった途端、言い表せないような恐怖が押し寄せてきた。
あたしは狼になった。
狼はあたしを守ってくれるようだった。
でも、結局は何も変わらない。
あからさまないじめはなくなったけど、あたしは嫌われ者のままで。
さらに、狼にも楯突くような男が現れた。
狼の言いなりにならないのは、蓮だけだと思っていたのに。
あの男……本当に冷たい瞳をしていた。
もし、蓮が現れなかったら……