sweet wolf





「直樹……」




喉から声を振り絞る。



今まではプライドを守るために、言わなかった言葉。

あたしが悪いと思っても、それを認めなかったから。



だけど……





「ごめん」



「え?」




直樹が驚いたようにあたしが見た。




「いつも迷惑かけて、本当にごめん」




その言葉を発すると、自然に心が軽くなった。

何だか肩の荷が下りたみたい。






直樹はあたしを見て、満面の笑みを浮かべる。

そして、




「当然じゃん」




そう言った。




「杏ちゃん、危なっかしくて見てられないよ」







なんで……

何でそんなに蓮と同じことを言うの?

何だか胸が痛い。

胸をぎゅっと掴んで、あたしは下を向いた。





蓮があたしを守ってくれる理由。

それは、蓮が「あの子」だったから。



だけど……

直樹はどうしてあたしと仲良くしてくれるの?



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