sweet wolf







アッシュの姿が消えた後、あたしの怒りはようやく薄れていった。

せっかく晴れ晴れとした気持ちで高校生活をスタートさせたかったのに、初っ端からこれかよ。

美里の隣でわざとらしくため息をつく。

だが、美里はぴんと背筋を伸ばしたままで。

違和感を感じて美里の顔を見たあたしは、ビクッとした。





美里は青ざめていて、宙を見て口をパクパクさせている。

まるで瀕死の魚だ。



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