sweet wolf






ドキドキドキドキ……





鼓動だけがやたら速い。

身体は金縛りにあったように動かない。

感じたくもないのに蓮の気配を感じ、その温もりを感じる。




ふわっと頬に軽やかな髪が触れたかと思った瞬間……




「わっ!?」




思わず声を出していた。

そして、あたしの視界はどんどん上がり、生徒たちを見下ろす。

微かに蓮の香りがして、その厚い胸板があたしの左側を押していた。


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