sweet wolf








そのまま、あたしたちは黙って歩いた。



重苦しい空気があたしたちの間に広がっていた。





この場から逃げてしまえば……

蓮のことなんて忘れて、新しい恋を見つけることができたら楽だろう。






それでも、蓮はあたしを解放してくれる様子なんてなくて。

あたしの手首をぎゅっと掴むその手から、ほんのりと熱が伝わってきた。



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