sweet wolf




「速いよな、時間が経つの」




沈黙を破るようにぽつりと呟く蓮。




「お前のいねぇ間に、俺は腐った野郎になっちまった」



「全くだ」




あたしは言い返し、下を向く。




背の高い蓮の歩幅は大きく、合わせようとしても到底追いつけない。

知らない間にあたしは早足になっていた。

それに気付いてか、蓮は歩みを緩める。

何だかんだ言って、蓮は優しい。




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