sweet wolf





「蓮……」




愛しい名前を呼ぶあたしの声は、微かに掠れている。




「あたし……」





蓮のことが好き。

大好き。

あんたのこと、忘れたことなんてなかった。

カナダでいじめられても、言葉が通じなくても、あんたのことを思い出して頑張れた。





だけど、あたしの気持ちを伝えたら、蓮がどこかへ行ってしまいそうだった。

一匹狼で遊び人の蓮には、特定の彼女なんていらないだろう。

重い女なんて……



< 204 / 312 >

この作品をシェア

pagetop