sweet wolf




諦めモードのあたしは、




「じゃ、帰れば」




どこのベッドにいるかも分からず、そんな言葉を吐いた。



そうだよ。

春樹なんかといるよりも、一人でいた方がずっと楽。






だが、顔をしかめた瞬間に、激痛があたしを襲った。

口の中はまだ血の味がして、左頬の骨が折れたかと思うほどズキズキ痛む。

あたしは思わず左頬を押さえていた。




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