sweet wolf





「ありがとな」




不意に春樹の声が聞こえた。




「は?」





わざと言ってんの?





あたしは春樹を睨んだが、相変わらず冷酷な顔で、にこりともせずあたしを見ている。




「直樹を庇ってくれたんだろ」



「あぁ……まぁ……」





あたしは確かに直樹を庇った。

だけど、返り討ちにあってこのざまだ。

どうして春樹がいて、あたしは無事にベッドで寝ているのだろう。



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