sweet wolf

一匹狼?弟狼?








ベッドに寝そべり、ぽかーんと上を見ていたあたし。

近くのガラスが割れたというのに、近くからは物音一つしない。

犯人も、春樹も、どこへ消えてしまったのだろう。






部屋の窓から吹き込んでくる風がカーテンを舞い上げ、視界が開ける。

目に飛び込んできたのは、消毒薬や包帯が乗っている台車。

白い壁には怪我の手当てのポスターが貼ってある。

それで初めて、自分が保健室にいることに気がついた。



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