sweet wolf





「崩壊してんな」




蓮が呟く。

そして、生徒の流れに抗うように、あたしの手を引いたまま歩き出す。





「本当はお前も逃がしてやりてぇ。

だけど、お前ほど一人にしたら危険な女もいねぇ」



「どういう意味!?」




顔を歪めて聞くと、蓮はあたしを見て笑った。

昔のままの、太陽みたいな笑顔で。




「俺が守ってやるっつうことだよ」






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