sweet wolf

あたしの、狼







「あんたが狼だったなんて思わなかった」




いつもの屋上で、あたしは蓮に言った。

蓮はいつものようにコーラをあけ、ぐっと飲む。

その首元にドキドキした。




「狼じゃねぇよ。

狼のトップだ」




わざとらしくそう言って、蓮は笑う。

いつもの爽やかな笑いだった。





「だけど俺は、群れるのは好きじゃねぇ。

これからも、ずっと、俺は傍観者だ」






だけどね、狼がピンチに陥ったら、また助けに来てくれるんだよね。

蓮は本当に救世主。

狼にとっても、あたしにとっても。





< 276 / 312 >

この作品をシェア

pagetop