sweet wolf








屋上庭園にいると思ったのに、蓮の姿はそこにはなかった。

ただ、さわさわと木々が揺れ、太陽の眩しい光が降り注いでいた。



無意識のうちに、蓮が座っていた木陰に腰を下ろす。

濡れた髪を秋の風が撫で、あたしは身体を震わせた。






ねぇ、蓮。

あんたは自由気ままにやっているけど、どうして狼に目を付けられないの?

あんた、怖い先輩なんて言われているけど、そんなの見せかけでしょ。



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