sweet wolf
「杏奈!?」
後ろからあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
思わず立ち止まり振り向くあたし。
すると、そこにはこんがりと日焼けして、いたずらそうに歯を見せて笑う女の子がいた。
「やっぱ杏奈帰ってきたんだ!」
女の子は嬉しそうに笑う。
さも、あたしのことを知っているかのように。
……いや、知っているようだが。
だけど、あたしの記憶の中にこんな女の子はいない。
面倒なので、
「誰?」
単刀直入に聞いた。