☆マリッジ☆リングス☆
「離婚のススメ」・・・そんな本を手に取ってしまう聡。

芽衣の家に行かない平日の夜は

離婚についての書籍を読み漁る。

「はぁ・・・なんか大変なんだな。」妙に冷静な自分がいるのか。

この現実に、どう立ち向かっていくべきなのか・・・。

「逢えるかな・・・?」さゆりへメールを送る。

「はい。2人で」

夫婦2人で逢う約束を交わした。

2人で外で会うなんて、何年ぶりなのか・・・

聡は、ソワソワしてしょうがない。

土曜日の朝

さゆりは久々に我が家に帰宅した。

「すごいわね・・・」

たった数週間だっていうのに

我が家はあっという間に

独身男のむさくるしい家に変わっていた。

「窓・・・開けていい?」

「あぁ・・・」

窓を開けると

スーッと北風が部屋を駆け抜ける。

聡は気持ちが凛とした。

「コーヒー入れるよ」

テーブルには「離婚届」

さゆりもようやく覚悟を決めたのか

それに目を通していった。
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