光の巫女
「そう簡単に逃げられると思っているのですか? 忍びごときの技で・・・この私がやられるとでも?」


「棗は、回復も得意なの知ってた?」


柊花の後頭部に凪の銃が突きつけられる。


「西園寺のっ・・・」


「お前を消滅させることは出来なくても、動きを封じることくらいなら出来るんだよ。行くぞ、棗っ!」


「はっ。臨 兵 闘 者 皆 陣 列 在 前!」


その詠唱と共に、凪が片手で印を組む。


「菖蒲ちゃん、今だっ!走れっ!」


そう言われて、菖蒲は渾身の力で走り出す。後ろを振り向いてはいけない。大丈夫、大丈夫。そう心で念じながら。

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