総長からの「愛してる」Ⅱ



「…………!!」




悲鳴が声にならない。



呼吸すら、ろくにできない。




何度も容赦なく殴られて蹴られ…



いつの間にか視界が真っ赤に染まる。




俺、まじで死んじまうのかもしれねぇ。




もう立てる気力も、戦おうとする感情もない。




ピクリとも動けない俺だが、身体中に蹴りを入れられる。





「………絶対、許さねぇ。」




俺の方が痛くて苦しいはずなのに、



その声は、あまりにも悲しく響いた。




悔しさ、怒り、悲しみ、切なさ、苦しさ、妬み



その言葉だけなのに、多くの黒い感情が痛々しく伝わってきた。





そんな声を耳に残したまま、俺の意識は真っ暗な闇へと落ちていった。




< 135 / 427 >

この作品をシェア

pagetop